ヴァネッサ・パラディ出演作品集
「ヴァネッサ・パラディの奥サマは魔女」 1997年 仏
監督/ルネ・マンゾール 評価/★★ カテゴリー/ ファンタジー、恋愛
出演/ヴァネッサ・パラディ、ジャン・レノ、ギル・ベロウズ、ジャンヌ・モロー
受賞/
ヴァネッサが、地球上で唯一子供を生める「善玉魔女」モーガンに扮して、愛児を普通の人間にするために養父になってくれる人間の青年マイケルを手に入れようと奮闘。背後には後継者として彼女の愛児を狙うジャン・レノ扮する「悪玉魔王」モロクの魔手が迫る。
ところが、手違いが起こった! なんとモーガンはマイケルに恋をしてしまったのだ。マイケルもまた、彼女にゾッコン。彼女は悩む。もし彼を養父にすれば、彼は廃人になってしまうのだ。儀式の「惑星直列」時刻まで残るは3日。魔王と魔女、そして彼女を救おうとする青年の死闘が始まる。果たして、青年と魔女が結ばれる道はあるのか?絶大な魔王の力に魔女たちは勝てるのか?
筋は面白く、キャストもマイケル役のギルを除いて豪華で実力派ぞろい。でも、なんとも演出と脚本に「キレ」がなく、流れが悪いつくりになってしまったのが残念。フランス製作なのに英語を使ったことによる勝手の悪さもその一因家。
あと、魔界のしきたりや約束事がとてもややこしい割りにちゃんとした説明がなく、事前に宣伝ビラぐらいには目を通しておかないと、よく飲み込めないまま終わる可能性も。
原題は「魔女の恋」。これを敢えて「奥サマは魔女」としてしまったことで、内容が誤解されるかもしれないが、あの「サマンサ」のTVシリーズとは直接の関係はない。

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「エリザ」 1994年 仏
監督/ジャン・ベッカー 評価/★★★★★ カテゴリー/ 親子
出演/ヴァネッサ・パラディ、ジェラール・ドパルデュー
受賞/
「エリザ」作曲者セルジュ・ゲンスブールに捧げられた作品。
孤児院で育った娘が亡き母のかすかな面影を追い、彼女の軌跡を辿り、踏みつけにした者たちへの復讐を果たしつつ、ついに父に辿り着く。 幸薄き生い立ちのせいか若くして大人び、「男」を見切ったように冷めていて、しかも頭脳明晰。 成熟していながら清楚。 世間に牙をむき続ける激しい気性。 母への思い、父への嫌悪と憧れ、不安。 やっと見つけた父を前に精一杯背伸びして女を、そして母を演じようとするけなげさ。 こんなにも屈折し、複雑な人格の持ち主マリーをバネッサはまるでその人であるかのように演じる。 バネッサの甘く激しく青い声、大きく澄んだ瞳、妖精のような肢体すべてがマリーを表現する。見事。 小気味いいリズミカルな場面の展開の中で、彼女は常に画面の中心にあって物語を牽引し、観る者を強く惹きつける。 素晴らしい存在感。 そして父を演じるドパルデューがまたいい。 破滅の人。芸術の人。愛の人。後悔の人。そんな彼の口から出る「芸術家の仕事は美を作り出すことではなく、美を覆い隠すものを取り除くこと」という言葉が印象に残る。 身を売る母を演じた彼女の厚い化粧を拭うシーンだ。 そしてこの二人の組み合わせは、親娘として男女としての愛情に揺れ動く微妙で美しいマリーと父の関係を見事に表現している。 孤児院仲間たちとの交流のエピソードもマリーの人となりをさりげなく表現していて巧い。 思わせぶりな映像、物語の柱である歌「エリザ」を聞かせ、衝撃のシーンをいきなり見せて観客を引き込むオープニングが憎い。  ちょっと非の打ち所がない秀作。  

最愛の男デムーラン(ドパルデュー)にピアニストを続けさせるために身を売り、彼に捨てられ、娘マリー(パラディー)と共に路頭に迷った挙げ句無理心中をした母エリザ。 奇跡的に命を取り留めた娘は孤児院で成長し、美しい娘に。 持ち前の才覚で孤児たちのリーダー格として慕われる彼女はしかし、万引きと売春詐欺に明け暮れる刹那的な毎日に甘んじていた。 孤児院を出た彼女は母の軌跡を、自らの出生とその後の運命を、そしてまだ見ぬ父の面影を追い求める。 そして遂に辿り着いた父は、以外にも愛と後悔の人だった。 刺し違えるはずだった彼女はそんな父を女として愛し始める。 でも娘でもありたい。  娘としてその胸に飛び込みたい。 でも・・・。 

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「白い婚礼」 1989年 仏
監督/ジャン=クロード・ブリゾー 評価/★★★★★ カテゴリー/ 恋愛、悲劇
出演/ヴァネッサ・パラディ、ブルーノ・クレメール、リュドミラー・ミカエル、フランソワ・、ジャン・ダステネグレ
受賞/
フランスが世界に誇るロリータアイドル、ヴァネッサ・パラディーの出世作。 「危険な年頃」(ナスターシャ・キンスキー)や映画版「高校教師」(遠山景織子)の系列に属する、孤独で屈折した心を持つ少女と平凡ながら優しい心を持つ教師との報われない切ない恋を描く作品。 ヴァネッサが少女の透明感、孤独、複雑な心情、純粋さ、聡明さを余りに見事に体現し、演じている。 挑戦的でありながらどこか悲しみを秘めた深い色をたたえる瞳が、精悍な顔立ちが、豊かな表情を持つ唇が、成熟した体が、雄弁にフランソワに語りかけ、彼を求める。 ヴァネッサはマチルドそのものだ。 観る者は90分間彼女に釘付けとなり、その一挙手一投足から目が離せない。 それほどの強烈な存在感を彼女は示し続ける。 そして衝撃的な結末。 彼女の孤独は永遠にフランソワのものとなって物語は終わりを告げる。 観客の心はフランソワと同化し、終演後もしばらく果てしない寂寞感から脱することができない。

精神科医の父と精神を病む母。そして麻薬に溺れた兄たち。 複雑な家庭環境の中で育った聡明ながら孤独で無気力な少女マチルドは、厳格な高校教師フランソワが見せた思わぬ優しさに愛の飢えを満たされ、妻ある彼への激しい恋に落ちる。 フランソワは戸惑いながらも彼女の愛を受け入れる。 しかし、彼女の孤独な魂は彼を独占しようとし、次第にフランソワの重荷となる。 意に背いて彼女を遠ざけようとするフランソワに彼女は反発。 愛の裏返しとして彼とその妻に執拗な嫌がらせと、当てつけじみた行動に出る。 ついに心を偽れなくなったフランソワは再び彼女と関係。皆の知るところとなりフランソワは遠地へ左遷。マチルドも母の死により町を離れ姿を消す。 数年後、フランソワはある少女の自殺の連絡を受ける。

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「ハーフ・ア・チャンス」 1998年 仏
監督/パトリス・ルコント 評価/★★★★★ カテゴリー/ アクション、親子
出演/アラン・ドロン、ジャン=ポール・ベルモンド、ヴァネッサ・パラディ
受賞/
痛快、爽快、大満足!!
さながら、近作米画「ファーザーズ・デイ」の超ハードボイルド・フレンチロリータ版といったところか。
米画と仏画の決定的違いはラストに現れる。 どっちもみんながハッピーなのだが、常識的・道徳的な米作に対して、エネルギーが高い状態のまま終わろうとする。 名作「髪結いの亭主」に通じる世界だ。
アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンド。 同時代を共にトップスターとして駆け抜けたこの二人を同じ銀幕で観られるだけでも幸せ。 彼らはライバル視されているが、出演作の系列を見ると、かなり路線が違うことに気付かされる。
観る者を「目で殺す」ような暗い二枚目役の多いドロン。 対して、カッコイイアクションもロマンスもあるけど、どこかコッケイで軽い役の多いベルモンド(ゴダール作品は別ですが)。 今作は、どちらかというとベルモンドが得意とする作風にドロンが歩み寄った感じか。  老いてなお狂おしい程の色気を漂わせるドロン(「カサノヴァ最後の恋」(1991)などは秀逸)だが、今回は突然現れた娘?に振り回される「退役盗賊」として、眉毛が下がりっぱなしの新境地に挑んでいる。
この二人の世界的大物俳優二人を相手に、弱冠26歳のヴァネッサが見事な子ギツネぶりを発揮。 二人の「退役札付き」を現役復帰させるに十分な魅力を出している。
この、それぞれが独自の世界を持った3人の俳優それぞれに持ち味を出させた緻密で完成された脚本(パトリック・ドヴォルブ)も演出も素晴らしい。 ルコント初体験のハード・アクションだが、主演二男優に敬意を表して?、なつかしい「アナログ」的なダイナマイトドカン・ドカンが実にハマッテいていい。 ロシアのプロフェッショナル・テロ組織相手にあの手この手仕掛けるゲリラ戦法も、とても楽しめる。
一級の娯楽作品。 さすがルコント!の一作。


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「橋の上の娘」 1998年 仏
監督/パトリス・ルコント 評価/★★★★ カテゴリー/ 恋愛
出演/ヴァネッサ・パラディ、ダニエル・オートイユ
受賞/
1999年モントリオール国際映画祭招待上映作品
「タンゴ」「髪結いの亭主」で衝撃的な愛を描いたルコント監督が久々に放つファンタジックな魂の愛の軌跡。白黒作品。前作「ハーフ・ア・チャンス」に引き続きV・パラディを主役に迎える。
刹那的な性の快楽に溺れ愛を見失って絶望した娘アデル。そして、人生と自信を見失ったナイフ投げの芸人ガボール。互いにある計画を秘めて訪れたパリの橋の上で出会い、不安を拭い去れないままもおそるおそる、曲芸のパートナーとして行動を共にする。パリからモナコ、サンレモ、アテネ、イスタンブール。信頼と幸運のみに命を賭けるエクスタシーがアデルを、ユニットが生み出す奇跡の力がガボールを、次第に救って行く。くちづけはおろか、肌さえ触れ合わぬ二人にはしかし、ナイフを投げ、投げられるひとときが究極の恍惚と快楽の時間であった・・・。それぞれの心が癒された果てには何があるのか?別れか?それとも新たな関係の始まりか?物語は後半意外な展開を見せ、ファンタジックな香りを帯びてくる。
(詳しくはミニシアターのページ参照)

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