爛(ただれ) |
監督 | 増村保造 | |
製作 | 1962年 日 | |
出演 | 若尾文子、田宮二郎、水谷良重、市田ひろみ、浜村純、船越英二、殿山泰司、中条静夫 | |
受賞 | ||
紹介 | 東京国際映画祭協賛企画「増村保造レトロスペクティブ」によるリバイバル上映での鑑賞。 増子(若尾)は愛人の浅井(田宮)が半狂乱に陥った妻を離縁してくれたため、晴れて正妻の座に座る。しかし浅井は、彼女の留守中、縁談を嫌って田舎から出てきた増子の姪・栄子と関係する。増子は現場に踏み込むが・・・ 因果応報。奪えばまた奪われるのが世の常か。 田舎を象徴する姪の見合い相手の堅物ぶりと、都会生活を象徴するかのような浅井の薄情さ。 姪を無理やり結婚させ、ひとまず騒動が収まったところで余韻たっぷりに終わるこの映画。その先には、第二、第三の栄子の出現が予見され、修羅の道は続いてゆく。 追えば逃げる、逃げれば追うは恋の、人情の常。夫婦という守りの世界は恋にとって墓場同然の住み処なのか。 一時前妻同様に半狂乱となりかけるも、すぐに冷淡な平静さを取り戻し、事態を処するあたり、さすが若尾文子。増村監督の中での若尾が持つ確固たる女性像がここでも息づいている。 | |
評価 | ★★★★ | |