スタジオはてんやわんや

監督 浜野信彦
製作
出演市川雷蔵、長谷川一夫、勝新太郎、若尾文子、小野道子、山本富士子、菅原謙二、船越英二、高松英郎、川口浩、川崎敬三、京マチ子、中村玉緒
受賞  
紹介絶頂期の大映映画に所属するオールスター総出演による東京・京都の撮影所紹介とファンサービス演芸大会。全編28分の短編。
撮影舞台裏紹介では、アフレコや音響効果、雷蔵の殺陣、小野道子の台詞練習風景など、全部ヤラセではあるけれど、それこそてんやわんや、活気に満ちた撮影所の雰囲気が伝わってくる。
一転して演芸大会では、山本富士子の歌、船越英二と高松英郎のコンビによる漫才、川口浩(鉄琴)や川崎敬三(ドラム)による荒城の月をアレンジしたジャズの演奏、雷蔵・一夫・新太郎共演による豪華な舞踊など、豪華絢爛。
折りしも放映中のNHKの朝ドラ「オードリー」の中に登場する「大京映画」のモデルはまさにこの大映。<黒田はん>(国村隼)のモデルは大映の名物社長永田ラッパである。「ドラマ」も「時代劇」も、大手映画会社の中でもとりわけ大衆色の強い興行を行っていた大映だけに、その擁した俳優陣も何れ演技者ぞろい。華やかさでもピカ一だ。それだけに、今更ながらにその倒産は残念でならない。雷蔵の早すぎる死、大衆路線であったが故のテレビドラマ台頭による打撃の大きさなど、不運や時流との乖離が重なっての致し方ない末路だったのだろうが。倒産ともに野に散った俳優たちは、テレビ俳優や司会者となり、あるいは服飾評論家となった市田ひろみのように堅気になった人も多い。大映という母体がなくなり彼らの俳優活動の地盤が失われたことにより、我々がその優れた演技力に触れる機会を大きく失った損失はあまりに大きい。
今も大映はいつの日か映画制作に再挑戦する時を夢見てテレビドラマ制作会社として存続している。
評価 ★★★
  

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