![]()
| 座頭市 |
![]()
| 監督 | 北野武 |
|
| 製作 | 2003年 日 | |
| 出演 | ビートたけし、浅野忠信、ガダルカナル・タカ、大楠道代 夏川結衣 橘大五郎 岸部一徳 | |
| 受賞 | ベネチア国際映画祭監督賞受賞! | |
| 紹介 | リメイクはこうじゃなくっちゃ!!「市」というキャラや時代の香りは北野監督の手で大胆にぶっ壊され、再構築された。それも、市の金髪や農民のタップダンスなど、人目を引く演出だけでオリジナル破りをしたのではなく、市そのもののキャラクターも、より強く、より怖く、よりカッコ良くパワーアップしているところがスゴイ。それも、たけし自らが市を演じてのもの。 何が凄いと言って、市の真髄、居合い抜きの目にも止まらぬ鮮やかさ。気が付けばもう剣先が敵の身をえぐり、血しぶきが吹き上がる、その剣さばきの早さ自体も凄いのだが、これまでの北野映画の真骨頂でもある<ためらいのない発砲>がそのまま市の瞬殺にも生かされているところが、より大きな快感に繋がっている。敵相手に何も話さない。感情も動かさない。標的に対峙すれば即、斬る。拳銃の場合もそうなのだが、客が身構えるより一瞬早い殺戮は、敵に絶世の句を述べさせることも許さず、殺し手と殺される側とのすべての感情を否定する。これがとまどいと共に。得も言われぬドライ感と、胸空く快感を呼び起こすのだ。 共演陣が豪華なのもいつにないことだが、敵役としての浅野忠信がいい。凄みも色気も一流で、市の相手に不足はない。その浅野を、飲み屋での一瞬の接近戦で牽制する市。殺戮シーン、チャンバラシーンは数あれどこのシーンが一番凄みがあり、印象に残る。そう、市の剣は接近戦向き。それは一瞬のミスが命を奪いかねない危険なスタンスで、だからこそ、ボクシングの接近戦のように、たまらないスリルと迫力に満ちている。相手に体を押しつけて剣を引く。ある意味、目の見えない者にしかできない芸当なのかも知れない。浅草時代に身につけたという殺陣から監督自らが考案した独自の殺法で、観客の度肝を抜いてくれる。 今回は娯楽大作ということで、ギャグがふんだんに取り入れられているところも楽しい。小ネタだが以外にはまったのは、半人前の刺客があわてて抜いた刀が隣の仲間の腕を斬ってしまうシーン。ヒーローと斬られ役、という従来の時代劇では、こうしたアイデアは出なかっただろう。実際にはよく起こっていたろうに。 監督・脚本家・俳優、それぞれの北野武=ビートたけしが堪能できる快作だ。 監督のサービス精神はパンフレットにも発揮されていて、昔なつかし「ペらぺらめくり」が付いている。800円と高めだが、手にする価値はある。あまりにラブリーな映画だったので、いつもは買わないパンフを買い、帰宅後何度も読み返してしまった。なんとも満足度の高い作品なのだ。 | |
| 評価 | ★★★★ | |
![]()
![]()