ある党員の履歴書

監督 クシシュトフ・キェシロフスキー
製作 1975年 ポーランド
出演
受賞  
紹介「トリコロール」三部作、「ふたりのベロニカ」のクシシュトフ・キェシロフスキー監督によるドキュメンタリー短編。
不祥事によって党籍除名の処分を受けたクララクが処分を不服として起こした提訴を受けて、彼の出頭を仰いで検討委員会が開かれた。フィルムは、その会議に於いて、党こそ我が人生、党籍なくして人生の目標なしと訴えるクララクに対し、官僚的な委員会メンバーたちが、不祥事の訴求を離れ、彼の愛人問題やキリスト教式で執り行った結婚式、富農の娘を妻としたことなどのプライベートにまで問題を広げて行く過程をドキュメントする。そこにあるのは全人生、全人格の否定であり、浮かび上がるのは減点主義の官僚組織の姿である。革命の高揚を失った「共産党」という組織の実像が生々しく描かれている問題作だ。冷戦只中の1975年と言う製作年を見ても、相当な弾圧を覚悟で作られたことが推察できる。
出演は、実際に除名処分になった経験を持つ元党員。
下北沢に99年12月オープンした短編映画専門館「Tollywood」での観覧。
評価 ★★★
  

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