エル・ニーニョとラ・ニーニャ、それぞれの典型的な気候分布



米国NOAAがまとめた、エル・ニーニョのときとラ・ニーニャのときの世界の気候分布の図を転載します。
いずれも、上段が北半球の冬(12−2月)、下段が北半球の夏(6−8月)です。


エル・ニーニョのとき・・・

「エル・ニーニョ」とは、南米ペルー沖の赤道付近の海水温がいつもの年(平年)よりも高くなる現象。
この海域は赤道を西に向かう海流があるところで、いつもはこれによりペルーの海岸部では海水が岸から離れる方向に流れようとするため、海底から冷たい海水が湧きあがっています(湧昇流)。ペルー沖にある赤道直下のイースター島にはこの冷たい海水温(20度前後)による冷涼な気候により南極に住むようなペンギンが棲息していることは有名です。
ところが何かのきっかけで、この赤道の西向の海流が弱まると、この湧昇流が弱まり、平年より4度近くも海水温が高くなることがあり、この現象を「エル・ニーニョ」と呼んでいます。これは、この海水温の上昇により魚の採れ方が変わることから地元の人が「エル・ニーニョ」(=神の子)と呼んでいたのにちなんでの命名です。
この現象が起きると、太平洋全体にわたって海水温の分布が大きく変わり、これが大気に影響を与えて気圧配置に変化を与え、世界各地で異常な天候を引き起こすことがあります。

ラ・ニーニャのとき

ラ・ニーニャはエル・ニーニョの逆の現象。いつもより赤道の西向の海流が強まり、ペルー沖の湧昇流が強まり、この海域での海水温が平年よりも低くなる現象。
エル・ニーニョが男の子の意味なので、これを女の子に替えてラ・ニーニャと呼びます。



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