マグニチュードと、地震による破壊の規模
マグニチュード
- マグニチュードは地震の規模を表す指標で、観測された地震の記録(最大振幅または地震波形全体)を用いて計算される。
- マグニチュードを計算するためには、地震計の種類や設置環境、観測網の状況などに応じた様々な経験式が用いられているが、国際的に統一された規格はない。
- 最も標準的なマグニチュードと考えられているのはモーメントマグニチュード(Mw)で、断層の面積と断層すべり量の積に比例する量として定義され、学術的にはこれが用いられることが多いが、計算に多くのデータが必要で、手間がかかって速報性がなかったり、小規模地震では求められなかったりなどの問題があり、気象庁では、地震による変位や変位の速度から算出する気象庁マグニチュード(Mjma)を用いている。(以上、「気象庁マグニチュード算出方法の改訂について」(平成15年9月17日 気象庁庁議幹事会資料) 参照)
- 気象庁マグニチュードとモーメントマグニチュードとの換算式としては、気象庁では下記宇津[1982]の式を用いている(緊急地震速報の概要や処理手法に関する技術的参考資料)
Mw=Mjma−0.171
マグニチュードと断層の破壊規模
- 地震の規模(マグニチュード)と、地震による断層の破壊の規模との間には、経験的に次のような関係があるといわれている
Log L=0.6M-2.9
Log D=0.6M-4.0
(Lは断層の長さ(km)、Dは断層の変位量(m)、Mはマグニチュード)
Log L=0.5M-1.85
- これらの関係をグラフ化すると以下のとおり。
- 直感的には、マグニチュードが1大きくなると、破壊される断層の長さも、その変位の大きさも、約3倍になり、マグニチュードが2大きくなるとそれぞれ約10倍になると理解しておくと大過ない感じ。
- マグニチュードと、断層の破壊された部分の長さとの関係
- マグニチュードと、断層のズレ動いた量(変位量)
- おおよそ、M7で1m強、M8で5m、M9で10m超、という相場観。
- 海底下の震源が浅い(10〜20km以下)縦ずれの断層(正断層・逆断層)が動いた地震であれば、海底がこのズレ量に近い(少し割り引いた)変位をきたすこととなり、その分海面が持ち上がるので、発生する津波の相場観も得られる。
震源球と力の向き
- 地震の震源の解析において、地震波から割り出した震源にかかる力(震源周りのズレの方向)を示す「震源球」で説明される場合があります。
- 震源球を用いた震源の破壊の方向性の説明は、気象庁の〜というページに詳しく解説されています。
- 同じく、Hi−Netの3.2 発震機構解決定というページにも解説があります。
- 震源球と力(ずれ)の向きについて、備忘録的に下記に図を載せておきます。
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