オータム・イン・ニューヨーク

監督 ジョアン・チェン
製作 2000年 米
出演リチャード・ギア、ウィノナ・ライダー、ヴェラ・ファミーガ
受賞  
紹介木の葉色づくニューヨークから届けられた、秋雨そぼ降るこの季節にぴったりの、ほろ苦い大人のラブ・ストーリー。
まさに、ハリウッド版「ビューティフル・ライフ」(キムタク&トキワのね)。

人間には、これまで歩んで来た人生にきちんと対峙すべき時が必ずやってくる。少なくともそのチャンスだけは。その時にどう対処するか、それがその人の後半生を豊かにも貧しくもし、また、悔いるべき若かりし頃の過ちを想い出に変えることを許されるか否かを決める。
主人公ウィルは、もう50歳にもなろうかというのに、未だ独身で通し、その類い稀な美貌と手慣れた女性捌きで刹那の恋に身をやつし、浮き名を長し続ける一流レストランのオーナー。例によって深入りする前に恋人と手を切った彼は、娘ほども歳の離れたどこか淋しげな女性シャーロットと運命的に出会う。やがてウィルは、シャーロットが昔彼を愛し傷ついた女性の娘であることを知る。そして、シャーロットが難病で余命幾許もないことも。
一方同じ頃、ウィルは、リサという妙齢の女性の訪問を受ける。彼女は彼がシャーロットの母の想いを裏切って妊娠させた女性の、そして彼の娘だった。
ウィルは、この歳になって生まれて初めて、シャーロットと真剣な恋に落ち、戸惑いを隠せない。何度か彼は逃げ出そうとするが、やはりシャーロットへの想いは絶ち難く、リサのおもいがけぬ応援もあって、シャーロットの最後の日々を共に生きる。そしてついに運命の日は訪れ・・・
監督は女優として「ラスト・エンペラー」で国際的名声を手にし、「シュウシュウの季節」で監督デビューして世界を涙の海に沈めた中国の新鋭ジョアン・チェン。カップルの一方が余命限られ・・・というラブストーリーとしてはごくありきたりな着想にもかかわらず、ギア&ライダーという世紀のキャスティングと、エンディングに向けた伏線となるエピソードを紡ぎ込む繊細な脚本、そして、あまりに美しい秋から冬へかけてのニューヨークの風景が見事に調和して、一級のヒューマン・ドラマへと高められている。ハリウッド初挑戦という気負いをまったく感じさせない老練とも言える監督の手腕には驚かされる。

注目は、リサを演じたヴェラ・ファミーガ。清楚で神秘的な表情をたたえる彼女(透き通るように青い目。アイリッシュか?)は、ハリウッドにいままでないタイプの女優。彼女を見ているだけで、いろいろなドラマのストーリーのアイディアが湧き出して来そう。本作を踏み台にした大きな飛躍を期待したい。
評価 ★★★★
  

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