ムッシュ・カステラの恋 2002/01/20

■「ムッシュ・カステラの恋」(2000仏) 評価 ★★★★ 
監督/アニエス・ジャウイ  原題/LE GOUT DES AUTRES
出演/アンヌ・アルヴァロ、ジャン=ピエール・バクリ、ブリジット・カティヨン <銀座テアトルシネマで公開中、札幌、福岡、大阪、神戸で公開予定>
□あらすじ
 会社社長のムッシュ・カステラは、学歴も教養も自慢はできないが、いいひと。ある日彼は,自分の英語の先生である舞台女優に恋をした。その瞬間から、彼の世界は広がった。無縁だった芸術にも、わからないながら興味が湧いてきた。彼女の世界に少しでも近付きたい、同じ空気を吸い、同じ仲間に入りたい。そんな彼の行動が彼女を呆れさせ、<ハイソ>な彼女の芸術仲間たちの失笑を買っていることに気付きもせずに。
□みどころ
 いったいどのぐらいの人が、一生のうちにこんな恋を体験するのだろう。結婚してても恋知らず、なんて人も多いはず。恋心が相手を少しでも知ろうとさせ、相手が振り向くかどうかよりも、その自分の変わり様、素直な心が心地いい。恋がもたらすこんな素敵な思いを、この作品は観る者すべてに分け与えてくれる。恋は突然やってきて、叶おうと叶うまいと、その人を別人に変えてしまう。彼が妻の築き上げた小さくて居心地の悪い「城」に戻ることはもうない、だろう。。。
 こういう作品に出会えるから、フランス映画はやめられない。分りきった道徳を振りかざすでもなく、結末で無理に収拾をつけるでもなく、とにかく押し付けがましくなくて、観客をスッと主人公の「穴」に入り込ませてしまう。恋に疲れている人も恋を知らない人も、カステラ氏と一緒にときめきとその先の素晴らしい世界を体験してみては如何?

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