カンダハール | 2002/02/24 |
■「カンダハール」(2001年 イラン=フランス) 評価:★★★ 監督/モフセン・マフマルバフ 原題/KANDAHAR 出演/ニルファー・パズィラ、サドュー・ティモリー <新宿武蔵野館ほか全国にて公開中> □あらすじ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 戦火のアフガンからアメリカに亡命した女性ジャーナリスト・ナファスは、不運にも亡命できずにカンダハールに止まる妹から絶望と自殺予告を綴った手紙を受け取り、危険を顧みず国境を越えて故国の街を目指す。 □みどころ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 貿易センタービルのテロが発生するまで世界からは完全に見捨てられていたアフガンの荒廃した現実をなんとか人々に伝えたい、訴えたい。監督のそんな思いがこの作品を生み出した。地雷の恐怖、治安の乱れ、交通の断絶、国民の国外流出・・・。女性の一人旅という、先進国でも危ういほどの最もリスキーな状況設定、日食の日に自殺を予告するという謎めいたメッセージ、主人公がやっと入国したのが自殺予告日三日前というサスペンス感。こうした数々のドラマティックな要素が、国情告発という単なるジャーナリズムから作品を一歩,エンターテインメントへと高め、より多くの人々に受け入れられるものとなっている。ストーリーはしかし、結論を出さずに終焉を迎えてしまう。はたして主人公は、そしてその妹はどうなったのか。無情に流れるエンドロールを前に、観客は置いてきぼりを食らった感覚に囚われる。 新宿武蔵野館ではロビーで監督が日本で出演したインタビュー番組を放映していて、涙ながらに国情を伝えようとする監督の姿が胸を打つ。映画の製作背景や国内状況の実際についても詳しく説明され、映画の内容理解にとってもお役立ち。ぜひ早めに映画館に行って、映画鑑賞の前にチェックしよう。 ■「ブコバル」(1994年 英・米・クロアチア) 評価:★★★★ 監督/ボーロ・ドラシュコヴィッチ 原題/VUKOVAR: POSTE RESTANTE 出演/ボリス・イサコヴィッチ、ミリヤーナ・ヨコヴィッチ (映画公開時題名「ブコバルに手紙は届かない」) <ビデオレンタル中> □みどころ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> ベルリンの壁崩壊の日に結婚したクロアチア人女性とセルビア人男性のカップル。しかし、冷戦の蓋が外れて吹き出した民族自立の流れが二人の間を引き裂き、人生の輝きを踏みにじってゆく。 この映画は、命を賭けて撮影された内戦のユーゴから無関心な世界へ向けた告発であり、悲痛な叫びである。共生の町が、一夜明けると、大人だけでなく幼い子供までもが民族の砦に引きこもって互いにいがみ合う戦場へと変わる。そんなことがこの国の至るところで起きたのだ。ミリヤーナ・ヨコヴィッチの美しさが、それ故に痛々しく、また空しくスクリーンを彩り、物語に説得力を持たせる。 ■「コーカサスの虜」(1996年 カザフスタン・露) 評価:★★★☆ 監督/セルゲイ・ボドロフ 原題/PRISONER OF THE MOUNTAINS 出演/オレグ・メンシコフ、セルゲイ・ボドロフ・Jr.、スサンナ・マフラリエヴァ <ビデオレンタル中> □みどころ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> チェチェン紛争下のコーカサス。民族ゲリラの手に落ちて捕虜となったロシア兵の運命を、ゲリラ兵の美しい娘と捕虜との恋を絡めて感傷的に描く。 単純なストーリーながら、戦争の不条理、捕虜兵士の絶望が見事に描かれ、随所に流れるロシア民謡とコーカサス民謡が心地よい。主役は超美形で男の色気ムンムンのロシアが誇る名優、オレグ・メンシコフ、共演は監督の愛息、ボドロフ・Jr。そして、本作を象徴づけるゲリラ側の村娘を演じたスサンナ・マフラリエヴァの美貌が観終わった後も脳裏を離れない。 ━…━…━…━…━…━…━…koala大推薦…━…━…━…━…━…━…━… ■■ 函館生まれの恋するファンタジー映画【パコダテ人】 最新情報 ■■ …━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 2月9日に先行上映が開始された地元函館では、劇場外には行列ができ、館内には補助椅子が出る大盛況となっていて、動員数の劇場記録を更新しそうな勢い。16日からは北海道各地で公開が開始され、4/27からは待望の東京公開(銀座シネパトス・新宿東映パラス2)が決定!!舞台挨拶も予定されています。 …━…━…━…応援サイトhttp://www.pakodatejin.com ━…━…━…━ 出演:宮崎あおい 大泉洋 松田美由紀 徳井優 松田一沙 萩原聖人ほか 主題歌:Whiteberry 監督:前田哲 脚本:今井雅子 配給:アートポート ━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━ <koala> e-mail::pakodatejin@yahoo.co.jp |