2002年 年間ベスト 2003/01/14

 2002年も映画を観まくった一年でした。映画館で観たものだけで大・小・新・旧合わせて126本。ビデオなども入れると294本に上ります。ひとり者のヒマつぶしと言ってしまえばそれまでですが(^^ゞ
 昨年は「ギャング・オブ・ニューヨーク」で締めて、今年は「SWEET SIXTEEN」で映画生活に復帰。すごく面白かった舞台「人間風車」(永作博美主演;パルコ劇場で上演中)を皮切りに、今年は演劇にも手を広げてみたいと思っています(^_^)b
 順位については、上位四作はそれぞれ性格が異なっていて、甲乙付け難い同率一位。各部門優勝、と言う感じです。
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第1位:「KT」 (DVD/ビデオ レンタル&発売中)
 現職韓国大統領にまつわる誰もが知る史実を題材にしながら、ここまでドラマティックに男の美学を描き切った阪本監督の手腕恐るべし。怒りも悲しみも野心も諦念もすべて背負った男たちを、色香溢れる日韓の男優陣が競演。歴史に残る名作。
 「光の雨」「突入せよ!『あさま山荘』事件」と、昭和後期の大事件が次々とタブーを破って映画化されていて、これらも合わせて楽しみたいところ。特に「光の雨」は身震いするほどの名作。
 阪本監督は次作「ぼくんち」の公開が間もなくに迫っていて、こちらも楽しみ。

第1位 「甘い嘘」
 大好きなジャン=ユーグ・アングラードの最新作。最近足が遠のいていたフランス映画だが、彼が出演するとあっては観ないわけには行かない。でまたこれが、重厚なサスペンスと息もできぬ程甘い愛に満ちた、「ニキータ」や「恋の病い」に匹敵するアングラード最高傑作と言ってもいい作品。湯あたりしたようになって劇場を後にしたのは言うまでもない・・・

第1位:「害虫」(DVD/ビデオ レンタル&発売中)
 何回も同じ作品を観ることによって、理解が深まるだけでなく受け止め方まで変わって行くということを教えてくれた作品。寄る辺なき少女の社会に背を向けた疾走を、男性である監督が一傍観者に徹して冷たい視線でドキュメントし、すべては観る者に投げつけるように委ねられる。ナンバガ・向井氏が映画撮影現場に赴いて書き下ろしたオリジナル・ナンバーと映像との見事なシンクロがもたらす至高の快感に酔いながら、ヒロイン・サチ子の行動を肌で感じ取れるようになるまで繰り返し観賞することを勧める。

第1位:「至福のとき」 (ル・シネマにて大ヒット上映中)
 チャン・イーモウ監督の力量を見せつけられる一作。
 <盲目の少女と彼女を助け励ます貧しい男>というプロットは、まさに現代中国版「街の灯」。とにもかくにも、まだ上映中なので、ぜひとも劇場で、満席の観客と共に笑い、嗚咽(おえつ)して下さい。

第5位:「I am Sam」
 奇跡の子役、ダコタ・ファニングと名優ショーン・ペン&ミシェル・ファイファーの共演で描かれる、知能障害者の親権にまつわる一つのエピソード。ハートウォーミングな演出を施しつつも社会の現実から目を背けたお伽話にせずに一つの結論を示して見せた点を高く評価したい。

第6位:「鬼が来た!」 第7位:「ピンポン」 
第8位:「活きる」   第9位:「チキン・ハート」 
第10位:「青い春」「八月の幻」「man-hole(マンホール)」
 その他、「es」「サウンド・オブ・サイレンス」「恋愛回遊魚」「今昔伝奇 座敷童 百物語」「ごめん」など。
 あおもり映画祭で観賞した「でらしね」(中原俊監督)は、劇場公開の目途が立っていないので、今回のランキングからは除外。また、ぴあフィルムフェスティバルにて全国キャラバン上映の「BORDER LINE」(李相日監督)は、本公開の2003年分に繰り越し。


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