ミュージカル嫌いにオススメのミュージカルたち 2003/04/30

 筆者はミュージカルが大の苦手(と言いつつモー娘。やゴマキのミュージカルを観に行っていたりするのだけれど(^^ゞ)。で、C.Z.ジョーンズやR・ギアが好きなのにも関わらず躊躇していた「シカゴ」。編集長の「ヨカッタよ」の一声でソッコー観に行って、大満足裏に帰ってきた訳。もう観た人もう観た人も居るかも知れないけれど、とりあえずその「シカゴ」から。
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■「シカゴ」(2002米)  おすすめ度 ★★★★
 監督/ロブ・マーシャル   http://www.chicago-jp.com/
 出演/レニー・ゼルウィガー キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
    リチャード・ギア 
□あらすじ
 人心乱れる1920年代のシカゴが舞台。<ニュースな女>であり続けるためなら殺人さえも華やかに脚色してみせる女たちと、金と愛のためにサポートする敏腕弁護士が繰り広げる、華麗な人生の駆け引き。

□みどころ
 「なんで踊るの?」「なんでここで歌うわけ?」という根本的なところでつまづく致命的なミュージカル嫌いでも、本作は抵抗なく楽しめる。もちろん「ミュージカルの映画化」が売り口上だから、歌も踊りはもふんだんに盛り込まれている。でも、現実のドラマとミュージカルのシーンとが、同じキャストの演技によって交錯しながら同時進行するという素晴らしい演出のおかげで、映画ファンにもミュージカルファンにもすんなりとドラマの世界へと入って行けるのだ。
 互いに反目し合うこの二人の女、いつかは組むことになるのか、最後までそのままか。弁護士は、たった一人しか脚光を浴びられない移り気な世間をどう利用し、どうやって二人を牢獄から救い出すのかに、最後まで目が離せない。C・Z・ジョーンズの手堅いオスカー演技と、愛らしい魅力を最大限に生かした演出で輝いたレニー・ゼルウィガーの、好対照キャラ対決も楽しい。ちなみに筆者は、女看守長を演じたクイーン・ラティファの演技と存在感がお気に入り。
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 さて、ミュージカル嫌いの筆者が進めるミュージカル映画をいくつか並べてみましょう。「シカゴ」で興奮している今こそ、このジャンルを攻略するチャンス!
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■「ムーラン・ルージュ!」 (2001年 米) おすすめ度 ★★★★★
 監督/バズ・ラーマン
 出演/ニコール・キッドマン、ユアン・マクレガー、ジョン・レグイザモ
□あらすじ
 世紀末の1900年パリ。歌姫にして高級娼婦である一人の美女サティーンを巡って夢のナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」を舞台に燃え盛る、ジプシー劇作家・クリスチャンと公爵との恋の鞘当て。
□みどころ
 まさに「完璧」。ミュージカル、コスチューム劇、喜劇、ラブストーリー、ファンタジー、悲劇・・・。あらゆるジャンルに属していて、そのどのジャンルにも収まらない。1900年=時代劇?でも、そこで詠まれ歌われる唄はマドンナでありビートルズでありエルトン・ジョンである。そんなバカな!じゃぁさぞかしナンセンス?いやいや、それがウソのように違和感なくシックリ来る不思議なテイスト。ハマればハマるものである。
 ウイットに富んだこの大量の台詞を字幕ですべて表現するには無理があるし、映像を見る余裕もなくなってしまうから、信念を曲げて本作はぜひ吹き替え版で楽しみたい。
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■「王様と私」 (1956年 米) おすすめ度 ★★★★
 監督/ウォルター・ラング
 出演/デボラ・カー、ユル・ブリンナー
□あらすじ
 シャム王と英国人家庭教師の未亡人、そして彼女の生徒である王子・王女・后たちとの心の交流を少しコミカルに、かつ美しく描き出した秀作。
□みどころ
 ジョディ・フォスター&チョウ・ユンファによるリメイク版「アンナと王様」のオリジナルがこれ。さらに本作は、「アンナとシャム王」(1946)のリメイクである。女官が「アンクルトムの小屋」をシャム風にアレンジして演じる劇中ミュージカルが秀逸。アンナと王が「シャル・ウィー・ダンス」の調べに載せて踊るシーンもとても美しい。
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■「シェルブールの雨傘」 (1963年 仏) おすすめ度 ★★★☆
 監督/ジャック・ドゥミ
 出演/カトリーヌ・ドヌーヴ、ニーノ・カステルヌオーヴォ
□あらすじ
 深く愛し合う傘屋の娘ジュヌヴィエーブと自動車整備功の青年ギイ。しかし、アルジェ戦争によりギイは徴兵。物理的な温もりを必要とした幼いジュヌヴィエーヴに対し、心の結び付きを信じたギイ。離れて暮らす日々は程なく二人の心をすれ違わせて行く。そして妊娠と貧しさが、彼女を心と裏腹に現実へと走らせてしまう。
□みどころ
 この機会にぜひ体験して欲しいのが、すべてのセリフを歌で表現するフレンチ・ミュージカル。苦手な者には拷問のような一作だが、今やスタンダードナンバーとなった主題歌に乗せて展開するあまりに切ない物語には、涙を禁じ得ない。
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■「夢のチョコレート工場」 (1971年 米) おすすめ度 ★★★☆
 監督/メル・スチュアート
 出演/ジーン・ワイルダー、ジャック・アルバートソン
□あらすじ
 スパイを恐れて工場の門を固く閉ざしてしまったワンカのチョコレート工場。ある日ワンカ氏は、チョコレートの袋の中から招待状を見つけた5人の子供だけが工場内へ入ることができるというキャンペーンを実施。全世界で富豪たちがわがままな彼らの子供のために大量のチョコを買い占め、次々と招待状を手に入れてゆく。一方で、工場がある町に住む、人一倍ワンカのチョコレートが好きな貧しい少年は、たった二枚しか買うことができなくて、招待状が当たるはずもなく。。。
□みどころ
 レトロな工場の内装が逆に新鮮で夢をかき立ててくれる。あっと驚くどんでん返しもあり、勧善懲悪に徹したストーリー展開は小気味いい。
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■「星の王子さま」 (1974年 英) おすすめ度 ★★★☆
 監督/スタンリー・ドーネン
 出演/ リチャード・カイリー、スティーヴン・ワーナー、ボブ・フォッシー
□みどころ
 世界中で愛されるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの原作も、映画版となるとこの英国版ともう一つ、フランス版しかないようだ。ミュージカルのエッセンスを巧みに取り入れた本作は、素直にファンタジーの世界に酔うことができる高い完成度に仕上がっている。展開も原作にほぼ忠実。
 ちなみに、フランス版「星の王子さま」(1983年/ジャン=ルイ・ギェルマン監督)は、かなりB級感が強く、この英国版と比べると見劣りがしてしまうが、王子さま役の男の子は、フランス版の方が表情豊かでかわいかったりする。
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 さて、「星の王子さま」ですが、この夏、東京でミュージカルが上演されます。映画版で興味を持った方はぜひ!もちろん筆者も観に行きます。
  と き:8月6日(水)〜8月20日(水)
  ところ:東京国際フォーラムC
  出 演:宮崎あおい、保坂尚輝、ROLLY
 チケットは、5/17より一般販売されますが、それに先駆けて宮崎あおいさん所属のヒラタオフィスでただ今優先予約受付中。
 http://www.hirata-office.jp/030428/funclub.html
 また、「星の王子さま」の公式施設である星の王子さまミュージアムおよびサテリット青山の店頭でも現在チケットを優先販売中。
 http://www.lepetitprince.co.jp/musee/lpp_musical.html
 さらに、チケット販売のe+(イープラス)では、5/2〜5/8まで先行予約を受け付け。
 http://mars.eplus.co.jp/ss/kougyou/syosai.asp?kc=007198&ks=01
 ヒラタオフィス: http://www.hirata-office.jp/
 星の王子さま公式HP: http://www.lepetitprince.co.jp/
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