2003年 年間ベスト | 2004/01/24 |
★特別一位 「Mine」 2003年、最も印象に残った作品は、「Mine」。これは広島の放送局が制作し、地元の劇場で上映された後地元テレビで放映され、以後は「ゆうばり映画祭」や「多摩映画祭」(グランプリ受賞!)で上映されたきりで、どうやら全国劇場公開は為されないまま終わってしまいそうな、残念な展開になっています。(http://www.si-ta.net/mine/) 一位 「ラスムス君の幸せをさがして」 子供を主人公にした冒険ファンタジーに必要なすべての要素を具えた、まさに完璧な一作。 二位 「ジョゼと虎と魚たち」 ドラマの素敵な世界観、そして池脇千鶴の役作りに感銘。 三位 <男の美学>を演出した作品群 ☆「許されざる者」(三池崇史版) ☆「インファナル・アフェア」 ☆「HERO」 ☆「ラストサムライ」 ☆「MUSA」 男の美学を、マフィアの世界を舞台に表現した前二作、歴史の舞台で表現した後三作。何れ優劣つけ難し。同じく大感動・大興奮した「パイレーツ・オブ・カリビアン」もこの中に入れてもいいかもしれません。男が観て、男に身震いできる、そんな作品たちに恵まれた一年でした。 四位 「マブイの旅」 あまりにはまり役な山田辰夫の、主人公その人自身ではないかと思わせるほど自然でてらいのない演技と、たっぷり写し込まれた、美しくたおやかな沖縄の風土に心から酔える感動作。 五位 「ロボコン」 全国高専ロボットコンテストを舞台にした、感動の青春ドラマ。本大会シーンが始まると、映画であることを忘れて手に汗握って応援してしまう、まさに迫真の演出に拍手! <大衆賞> 「座頭市」「フォーン・ブース」「死ぬまでにしたい10のこと」「昭和歌謡大全集」 「ミシェル・ヴァイヨン」 一年を総括してみると、当たりが多かったなぁ、という印象。特に日本映画は、プロデューサーが成長してきたのか、インディーズ系監督によるものでも、鑑賞に耐えない「?」な作品はめっきり減って、「うまいなぁ」と思わせる満足度の高い作品が増え、安心感が増した気がします。インディーズ出身監督の出世頭、篠原哲雄サンが着実に重ねる地道な実績が、日本映画のレベルアップを支えていると言えるかも知れません。大がかりな仕掛けに頼らずに、ドラマと物語をしっかりと描き上げて行くという、古き良き1950年代の日本映画が持っていた雰囲気が蘇って来たようにも思えます。年明けに観た「解夏」もその流れを引き継いでいて、今年もまた、日本映画から目が離せなくなりそうです。 |