ワンダー・ボーイズ 2000/10/08

■あらすじ
 「ワンダー・ボーイズ」とは、人生の早い段階で成功を手にした者たちを指す。本作では、5人のワンダー・ボーイズあるいはその予備軍たちが共に過ごす週末の3日間のドラマをコミカルな味付けで描く。

■感想 
 音楽はボブ・ディラン、ジョン・レノンが提供。そしてM・ダグラスを始めとするこの豪華なキャスティング。これが期待せずにはいられようか?
 監督は「L.A.コンフィデンシャル」のカーティス・ハンソン。なるほど。似てるかも。そう、明確な<回答>や<結末>が用意されていない群像劇なのである。これはジャンルとして確立されたもので、好みがはっきり分かれるかもしれない。「L.A.コンフィデンシャル」が大好きな人なら、この作品もたぶん、すんなりと受け入れて楽しむことができるだろう。「リービング・ラスベガス」などとも案外似た世界を持っているかもしれない。ウディ・アレンモノともある意味近いかな。
 日本映画に例えるなら、黒澤ではなく小津。一言で言うと、連続テレビドラマの一回分、という感じ。

 鑑賞中にふと思ったのだが、平日の日中、訳あって田舎町をあても無く歩いているときにふと立ち寄った場末の映画館でこの作品が上映されていたとしたら、もしかするとその時の心境にぴったりはまって、一生記憶から消える事の無い想い出の作品となるのではないだろうか。そういう意味では、希望に満ち溢れる若者ではなく、リタイアを控えたミドル・エイジ
の観客に強い共感を呼ぶ作品と言えるかもしれない。残念ながら、その年代が最も映画鑑賞から縁遠い存在なのだが。

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