koalaの2000年上期ベストテン 2000/08/06

☆劇場映画ベストテン

 今年1〜6月に劇場で観たのは全51作品。いつものとおり、それぞれに良さがあって選びきれないし、順位もつけにくいのですが、視点の新しさと完成度の高さという面を優先すると、以下のようになりました。
 年間ベストテンでは順が入れ替わってるかもしれません・・・。

第1位:「ANA+OTTO」
 幼少期から青年期へ、そしてスペインから極北ラップランドヘ。寡黙でクールな映像で綴られた数奇な愛の軌跡。ストーリー、映像、ともに過去に例の無い新感覚さ。映画ファンならぜひ押さえておきたい作品。

第2位:「アメリカン・ヒルトリーX」
 人種問題を白人の痛みから語った問題作。衝撃のストーリーとE・ノートンほか俳優陣の名演で驚き、魅了される。文化的側面からもぜひ観て欲しい作品。

第3位:「スリーピー・ホロウ」
 アメリカで衆知の首なし騎士伝説を題材に、美しく深みのある映像と華麗でファンタジックな演出で魅せる完成度と格調の高い作品。J・デップとC・リッチの伝説のハマリ役も観もの。

第4位:「ジャンヌ・ダルク」
 L・ベッソンが前夫人M・ジョヴォヴィッチを雍して描いた猛るカリスマ、武闘派ジャンヌ。今まで多く映画化されて来たジャンヌ像がこの一作ですべて霞んでしまうほどの一作。

第5位:「セイヴィア」
 妻子をイスラム人に奪われた怒りをセルビア傭兵としてモスリム掃討へ向ける哀しい戦士。彼の荒んだ心に当地の子守唄が染み渡る。

第6位:「BULLET BALLEY」
 塚本晋也監督による暴力系作品の最終到達点とも言える極めて完成度の高い作品。暗く狭い部屋にて大音響で鑑賞して十二分に心神喪失を。

第7位:「どら平太」
 時代劇映画にコミカルさと一級のアクションを併せ持たせることで現代に通用する新潮流として提起した一作。心底笑えてしかも痛快、字幕はなし!日本人しかわからない、遺伝子に響く一作。

第8位:「フェリシアの旅」
 好色老人と美しい少女の歪んだ関係・・・。koalaの趣味です。すんません。

第9位:「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」
 ライ・クーダーによるグラミー賞アルバムの製作秘話を名匠W・ヴェンダースが撮影した異色作。どこか懐かしいオールド・カリビアン・サウンドを堪能できます。

第10位:「海の上のピアニスト」
 伝説の水上の名ピアニストをファンタジックかつドラマティックに描いた異論なき名作。

次 点:「地雷を踏んだらサヨウナラ」「HYSTERIC」


☆Tollywood誕生記念・短編映画大賞

 前にも紹介しましたが、昨年12月に、東京・下北沢に短編映画専門の映画館<Tollywood>が誕生しました。これを記念して。

大賞:「男の子の名前はみんなパトリックっていうの」
 あのゴダールの手による、恋に恋する二人の少女をみずみずしく描いた幻の処女作。タッチはまるでトリュフォー。驚きの一作。秋からニュープリントで再上映の予定。

koala特別賞:「王手飛車取り」
 ジャック・リヴェットによる、人妻とその夫がそれぞれの愛人を交えて繰り広げる恋の駈け引き。フランス恋愛映画の真髄ここにあり!


☆フランス映画祭(横浜)
 
 観覧できた7作品から、ベストはこれ。日本上映時はお見逃し無く。

koala大賞:「東、西」
 C・ドヌーヴとO・メンシコフ。東西きってのの名優の夢の共演で魅せる、東西冷戦の狭間で翻弄された夫婦の壮大な愛と自由獲得の軌跡。

<koala>

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