koalaの1999年ベストテン 1999/12/18

1999年のMy Best 10 <<54作中総合順位>>

1位「Queen Victoria 至上の恋」(英)
人にとって、恋し愛すること、されることが、いかに生きる喜びを与え、エネルギーの源となるかということを改めて思い知らされる。

1位(同率)「宋家の三姉妹」(香・日)
終演後しばらく、「すごい作品に出会った」という感動と驚きで心の整理がつかず、呆然としてしまった。それほどに見事な作品。

3位「コキーユ〜貝殻」(日)
男の前で少女のように恥じらい浮き立つ風吹ジュンが愛らしく、どこか淋しそうな笑顔が印象に残る。非常に完成度が高い作品。

4位「恋におちたシェイクスピア」(英)
シェイクスピアと名家令嬢との激しくも叶わぬ恋に「ロミオとジュリエット」「十二夜」の戯曲が絡み合う設定と、演じる役者の演技の見事さに感服。

5位「シュウシュウの季節」(米)
いたいけな少女に課せられたあまりに過酷な運命を目前に、死さえも幸福に思えてしまう。このタイトルを書いただけで涙あふれて止まらない。

6位「視線のエロス」(仏)
「主観カメラ」が主演イザベル・カレーの「無垢な娼婦」のような、豊かな表情を引き立てる。これぞ、「フランス版ロリータ」と言える名作。

7位「フェアリーテイル」(英)
精密な手作業を思わせる特殊撮影を交えたファンタジックな映像。二人の名少女女優をカイテル、オトゥールら名優が支え、作品に深みを増している。

8位「バッファロー'66」(米)
一生脳裏に焼き付いて離れないだろうリッチとギャロの情景の断片。愛される喜びがハチキレるラストの開放感がたまらない。今年忘れてはいけない一作。

9位「双生児」(日)
今後の日本映画に新しい道を切り開いた実験的・野心的な記念作。観客を精神的に追い込む映像力に圧倒される。

10位「ノッキン・オン・ヘブンス・ドア」(独)
ドイツ映画、けっこうやるじゃん!!タランティーノばりのアクションと抜群のギャグセンスの快作。独画偏見解消、を記念してのランクイン。

番外 「あふれる熱い涙」(日)<リバイバル特別上映版>
優しいアンデスの調べの中、最高の配役で演じられる「世界の片隅」日本に於ける深く切ない人間ドラマ。ささやかに生きる人たちに幸あれ・・・

***********************************
ミニシアター系中心で地方の方には馴染みがない作品が多くなってしまったので、メジャー系だけでの順位をつくってみました。ちょっと冴えないですが。

メジャー系My Best 10

1位「恋におちたシェイクスピア」(英)
2位「ジョー・ブラックをよろしく」(米)
3位「アイズ・ワイド・シャット」(米)
4位「もういちど逢いたくて〜星月童話〜」(香)
5位「メッセージ・イン・ア・ボトル」(米)
6位「エリザベス」(英)
7位「梟の城」(日)
8位「鉄道員 ぽっぽや」(日)
9位「秘密」(日)
10位「ライフ・イズ・ビューティフル」(伊)

***********************************
***********************************

2000年代にも引き継ぎたい映画

<愛のかたち>編
「カサブランカ」「髪結いの亭主」「HANA-BI」「道」「永遠の愛に生きて」
「シラノ・ド・ベルジュラック」「日の名残り」「タイタニック」
<子供の純真>編
「禁じられた遊び」「汚れなき悪戯」「陽だまりの庭で」
<時代の激流>編
「太陽に灼かれて」「宋家の三姉妹」
<戦争>編
「アラビアのロレンス」「ラストエンペラー」
<日本の映像美>編
「時代屋の女房」「忠臣蔵外伝 四谷怪談」「スワロウテイル」「ユメノ銀河」
<家族>編
「ゴッドファーザーTUV」「安城家の舞踏会」

***********************************
***********************************

ライターとしての感想・・・

 ライターになって4ヶ月。それまでは映画に対して、「ぴあ」などの情報をもとに「是々非々」で接してきたつもりだったのですが、編集長に「ミニシアター系」の担当を仰せつかって改めて、自分が映画に求めるものがこのカテゴリーに集約されていることを自覚しました。そして、一部の人の目にしか触れずにスクリーンを去って行くこうした作品の存在や良さを少しでも多くの人に知ってもらいたいという新たな使命を感じ、より貪欲に作品に接する意欲が湧いてきました。今年は私の映画人生にとって記念すべき第二の幕開けになりました。

<koala>


koala TOP koalaの映画三昧 TOP koalaのミニシアター 映画メルマガ「movie times」 掲示板