koalaの春のおすすめ映画 2000/03/26

■「セント・オブ・ウーマン〜夢の香り〜」 評価 ★★★★★
監督/マーチン・ブレスト (1992年 米)
出演/アル・パチーノ、クリス・オドネル、ガブリエル・アンウォー

 高慢な盲目の退役将校と、彼の介助のアルバイトを志願したエリート高校生との、ひと夏の交流を描いた作品。退役将校には華々しくも苦い過去が、そして高校生には友情と将来を天秤にかけることを迫る現実があって、旅を通じてお互いがお互いの存在によって自らの人生を受け入れ、前に踏み出す勇気を与えられて行く過程は、これから新しい人生のスタートを切る若者にとって、よき道標となることだろう。


■「(ハル)」 評価 ★★★★★
監督/森田芳光 (1996年 日)
出演/深津絵里、内野聖陽、戸田菜穂

 パソコン通信で知り合った、それぞれに悩みを抱えた男女が、交信を通じて曲折を経つつ次第に心を通わせ合い、やがてオフラインでの対面に至るまでを、チャットやメールの字幕を多用して描く異色作。「見知らぬ」男女が互いの人生や悩みを率直に交換し合いながら、ゆっくりと相手に対する信頼を深めて行き、やがてそれがかけがえのない関係へと変化してゆく過程と折々の心象風景の描写が見事。インスタントな現代にあって、こんな風に人間関係が築ければ、築き合える相手に出会えれば、なんと幸せなことだろう。新しい人生に乾杯!


■「人生劇場」 評価 ★★★★★
監督/深作欣二 (1983年 日)
出演/永島敏行、松坂慶子、若山富三郎、中井貴恵、風間杜夫、松方弘樹、森下愛子、奥田英二、成田三樹夫、三船敏郎、室田日出男、小林稔侍、平田満

 地方商家の嫡男として生まれ、やがて作家となる一人の男の幼少時代から大学進学、自立までの半生を軸に、彼を取り巻く渡世人や娼婦、女流文学士たちがそれぞれに、あるいは主人公を絡めて織り成す華麗にして示唆に満ちた人生模様を見事に描き上げた大作。この超豪華な出演者には圧倒されるばかり。この主役級俳優たちを個性豊かに使いこなした監督の手腕にはさらに驚かされる。人生、順風も逆風も長くは続かない。青春は誘惑と苦悩に満ち、それこそがまた、青春の醍醐味でもある。迷ったとき、くじけそうなとき、この映画が答を自分で見付ける力を与えてくれる・・・そんな作品。

<koala>

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